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拉致問題での左翼の責任(追記あり)

2010年04月12日 12:08

先日、某所での蓮池透さんの講演会に参加してお話を伺ってきた。

<追記>
4月15日付けの神戸新聞「正平調」に蓮池さんの事が書かれていた。
先日神戸にこられたときにインタビューした内容でとてもよく書かれている。
http://www.kobe-np.co.jp/seihei/0002881529.shtml
<追記終わり>

<追記2>
ここ、なぜか今はリンクが切れていますね。
今はキャッシュでなんとか読めますけど…
ホントはコピーを掲示したいところだけど、著作権に引っかかるので出来ません。

神戸新聞の「正平調」は、こちらにバックナンバーが載せられていますが、なぜか15日の分だけが消えています。
http://www.kobe-np.co.jp/seihei/index.shtml
内容が内容ですので、どこかから削除させる圧力でも掛かったのでしょうか?
単なるミスなら良いのですが…
</追記2>

<追記3>
リンクが戻りました。よかったよかった・・・
</追記3>

ご存知のように、蓮池さんは先日、家族会から強制退会、事実上の除名をされた。
家族会の正式名称は、「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」である。
元々は、被害者家族どうしの連絡会なのだから、その発言や行動が気に入らないからと除名できるような組織ではないはずである。

蓮池さんはマスコミに対して、
「家族会の目的は被害者の救出であり、方法論が多少違ったとしても自由にものを言える多様性も必要ではないか。僕をやめさせることで少しでも進展すると判断されたのなら、甘んじて受けるしかない」
と答えている。

ここには、被害者救出をこそすべてに優先すべきなんだという信念と、「おいおい、家族会はそんな事をしている場合じゃないだろ?それは被害者救出という目的に沿った判断なのか?」という痛烈な皮肉も込められているように感じた。

で、家族会は完全に「救う会」に洗脳され、彼らの「北朝鮮打倒」の目的のために利用され、今や圧力団体化している。 先日も、さらに「経済制裁」を強めよと政府に申し入れた。

もし本当に「経済制裁」を強めれば「被害者救出」に結びつくのなら、自分もそれに賛成するだろうし、蓮池さんもそう言っている。
しかし、経済制裁だけをいくら強めても、一人の被害者も救出は出来ないというのが、厳しい現実である。
これまで実際に事態が動いたのは小泉氏や外務省が対話で北朝鮮との交渉に動いた時だけであり、2006年から経済制裁を続けているが、全く何の変化も生み出せていないというのが、動かしがたい事実なのだ。蓮池さんの思いは、そこを何とか打開したいという一点である。

外務省も経済制裁だけでは事態が動かない事は当然知っている。
だから強硬派として知られる齋木アジア大洋州局長でさえ、2008年6月に日朝実務者協議を開き、経済制裁一部解除と引換に、拉致問題の再調査をする合意を北朝鮮との間で取り付けた。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/abd/jitsumu_gai.html

これを双方が履行すれば、被害者救出に直接結びつく可能性のある合意だった。
ところが、この合意に従って制裁緩和をすることに家族会などが強く反対し、約束を履行できなくなっている。

当然、日本側が約束を果たさないのに、北朝鮮が約束を果たすわけがない。
この交渉に尽力した齋木氏ら外務省関係者のメンツは丸つぶれである。

小泉元総理が2度目の訪朝で被害者家族を連れ帰ったときにも、「子どもの使いか」と小泉氏を罵声を浴びせ、世間の顰蹙を買ってしまったのも家族会だ。蓮池さんは、「あの時は、小泉さんを賞賛すべきだった。家族を連れ帰って下さりありがとうございましたと…。そして、まだ帰って来ていない被害者がいるので、次はそうした方を連れ帰ってくださるよう引き続きお願いしますと、言うべきだった。」と後悔していた。
あれが、小泉氏のやる気を完全に失わせてしまったのだろうとも言っていた。

今回の件も、齋木氏ら外務省の折角のやる気をそいでしまった可能性がある。

このように、被害者救出を誰よりも願っているはずの被害者家族が、その被害者救出の障害になってしまっているのが現状なのである。そして、その悲しい状況をなんとか変えようと努力されていた蓮池さんが、強制退会させられてしまったのだ。

実に、困ったことである。
被害者家族の方達が、拉致した北朝鮮が憎いのは当然だろう。
しかし、その感情をぶつけるための制裁が目的化し、本来の目的である被害者救出の障害になったのでは、まさに本末転倒である。また、マスコミでもそうした強硬策ばかり声高に主張し、それ以外の方策を拒否する硬直した発言ばかりが目に付くので、だんだんと国民の気持ちが家族会から離れていっているのも心配だ。

こうした事態を招いた一番の責任は、そうした家族の感情を、自らの政治目的の為に利用する「救う会」だろう。

しかし、ここで私が言いたいのは、我々自身の責任についてだ。
つまり、家族会が救う会に取り込まれてしまう状況を許してしまったのは、我々左翼陣営の責任でもあるという点である。

蓮池さんも強調されていたが、政権交代した今、政府は過去の過ちやしがらみに引きづられることなく北朝鮮と交渉出来るはずである。被害者救出で成果が上げられれば、低落傾向の民主党の支持率も一気に上がるだろう。

我々左翼には、反省を込めて今すべきことがあるように思う。
それは、まずは冷静な世論を作ることなのではないだろうか?
家族会や救う会に引っ張られ、強硬的で異論を許さなくなっている世論を、多様で冷静に被害者救出の戦略が議論できるような中立の位置に引き戻すこと、タブーを無くし、誰もが自由に解決策について議論できる環境に戻すことが必要であるように思うのだが、皆さんはいかがでしょうか?


コメント

  1. sv400s_dracin | URL | -

    蓮池透さんの講演会

     日曜日行ったんですね…うーん、日曜日でなかったら、行ったんですけどねぇ…日曜日は『桜花賞』…うそです、私は馬券の買い方も競馬の仕組みも知らないので無理です…冗談は、横にずらしておいて…

     行かなかったのは、拉致問題って、よくわからないんです…最近の「家族会」の雰囲気に宗教のそこはかとない香りがすることへのちょっとした不信…もちろん、蓮池透さんと「家族会」が袂を分かつ事になったのは知っていますけど…蓮池透さんの著書も読んでいない状態で、講演会を聞くことに若干抵抗がありました…せめて、読んでから聞きたいかな…そもそも、拉致の事をネットで知る以上の情報を持ってないこともありますし、拉致関連の著作も映像も殆ど見た事がない…

     それでも…私は左翼でもなんでもないのですが…「家族会」の言うような強硬な態度が北朝鮮との交渉にプラスになるとも思えない…いまさら、北朝鮮と経済戦争してもねぇ…概ね、Looperさんのおっしゃるとおりだと思うんですが…がぁ~

    >我々左翼には、反省を込めて今すべきことがあるように思う。
    >それは、まずは冷静な世論を作ることなのではないだろうか?

    ちょっとだけ、ひっかかるかな…私のちょーアバウトな記憶が確かなら、「家族会」が右傾化した背景には、左翼と呼ばれる人たちの北朝鮮への及び腰があったからじゃなかったっけ?…なんで、あんなに及び腰なのか、わからないですけど…その理由は、遡ると、『帰還運動』のこともあるからかなぁ…『帰還運動』で社会党系・共産党系の関係者が帰国事業に取り組んだのは、北朝鮮の社会主義を宣伝することで、政治的影響力の拡大することが狙いだった(wikより)っていうし、今更、北朝鮮を批判しにくかったわけでしょ?…その片棒を担いでいた残滓の社民党が政権に関わってるわけだから、家族会が右傾化するのもね、同情できる…

     Looperさんは「左翼は冷静な世論を作る」ことが大事だとおしゃいましたが…私は左翼でも、なんでもないので…現在のような公式ルートがこう着状態にあるのなら、もっと積極的に関わって、下交渉まで出来ないんだろうかと思います…現在の共産党や社民党がどの程度、北朝鮮とのルートがあるのか知りませんが…それこそ、責任ある政党だといえるんじゃないのかなぁ… と 夢物語をひとつ

  2. Looper | URL | QpqRtz9Y

    Re: 蓮池透さんの講演会

    sv400s_dracinさん、

    某所で、少しの違いも許せないイチャモン付けさんに腹が立って相手をしてしまう愚かな事をしてしまいました。ああなるのは最初から分かってたからずっと無視してたのに、我慢できなかった…ホントに未熟者です。

    ああいう人は、大抵は活動も一生懸命にやってる愛すべき人なのですが、家族会と同じで、その言動では逆に目的達成にはマイナスになってしまう事に気がついていない点がいつも歯がゆく感じます。

    >  行かなかったのは、拉致問題って、よくわからないんです…最近の「家族会」の雰囲気に宗教のそこはかとない香りがすることへのちょっとした不信…(略)

    それが一般的な受け止めなんだろうと思います。
    被害者の救出はほとんどの国民が心から願っているし、家族の方を支援したい思いはあるのに、今の「家族会」の強硬一辺倒の態度が、多くの国民を引かせてしまっている。これは本当に残念な状態です。

    > ちょっとだけ、ひっかかるかな…私のちょーアバウトな記憶が確かなら、「家族会」が右傾化した背景には、左翼と呼ばれる人たちの北朝鮮への及び腰があったからじゃなかったっけ?

    いえ、その通りです。
    私がこの記事で言いたいのもその点です。
    家族会を右傾化させた直接の原因は「救う会」です。しかし、家族会が「救う会」に心を寄せないければならない状況を作ってしまったのは左翼の責任が大きい。社会党は拉致を否定していたし、共産党は拉致問題の初期には積極的役割を果たしましたが、途中からトーンダウンしてしまった。そんな中で、家族会を(その目論見はともかく)支えたのが「救う会」だけでした。左翼には、それを許してしまった責任がある。

    しかし、それで被害者救出ができるならいいんですが、今の状況では展望がない。
    そこで、左右を問わずに被害者を助けだすためにイデオロギーの違いを超えて一緒にやろうよ、と呼びかけているのが蓮池さんなんです。

    >…なんで、あんなに及び腰なのか、わからないですけど…その理由は、遡ると、『帰還運動』のこともあるからかなぁ…

    それについては自民党やマスコミも一緒に支援してたから、あんまり関係ないです。

    >  Looperさんは「左翼は冷静な世論を作る」ことが大事だとおしゃいましたが…私は左翼でも、なんでもないので…現在のような公式ルートがこう着状態にあるのなら、もっと積極的に関わって、下交渉まで出来ないんだろうかと思います…現在の共産党や社民党がどの程度、北朝鮮とのルートがあるのか知りませんが…それこそ、責任ある政党だといえるんじゃないのかなぁ… と 夢物語をひとつ

    いやいや、共産党なんか野党外交をしきりに自慢するんだから、仲の良い中国に話が出来るように取り持ってもらうとか、自ら積極的に解決に動いて成果を上げられたら、一気に国民の支持が上がって参院選では大勝利をつかめるでしょうね。私が幹部なら絶対そう動きますよ。でも、これも夢物語かな?

    で、外務省は、実は対話で動きたいんですね。でも、家族会や救う会が反対するから単純な強硬路線から脱却出来ないのです。この硬直した状況を打開するのは、対話路線を支持する、世論、政治家を作って、外務省がその方向で動けるようにしてあげないといけない。右に行き過ぎてる世論を、ニュートラルに戻さないといけない。という問題意識から来ている呼びかけなんです。

  3. 横槍さん兵。 | URL | -

    質問です。

    左翼という括りは今後の事を考えると分かり安い
    かも知れません、が しかしという危惧も有ります。
    まとまりきれない背景が根強いからです。

    北朝鮮と社会党の関係、そこに野中元幹事長などなど
    利害だろうと思う事柄が有りますがそこは分かり安いのでさて置くとして

    共産党が初期の頃果たした役割が
    排除されたようにも思うのですが
    其のあたりの認識をお伺いしたいと思います。

    「頑迷な左翼」が柔軟になれば事態の打開に一役買って出れるであろうことは察しが着きます。
    只貴方の様な問いかけに拒絶されるのも事実ですから・・・・。

    ところで別の場所では
    どうもです。
    異にするところも共感するところもあるので
    これを機会にお尋ねします。

  4. Looper | URL | QpqRtz9Y

    Re: 質問です。

    横槍さん兵さん、ようこそいらっしゃいませ。

    > 左翼という括りは今後の事を考えると分かり安い
    > かも知れません、が しかしという危惧も有ります。
    > まとまりきれない背景が根強いからです。

    根強いですね。保守との連携よりも難しいと思うほど。
    ただ、今のままで本当に良いんですか?ってことですね。
    そういう事ばかりしてたから、国民の気持ちが離れていった部分があるのは否めないと思います。左翼全体に突き付けられている問題です。

    例えば知り合いに、広島出身で共産党が大嫌いな人がいます。
    反核運動をひきまわしてしまった事が、絶対に許せないそうです。

    あちらにも書きましたが、こうした体質を変えられなければ、左翼はこのままジリ貧の道を進むように思います。

    > 共産党が初期の頃果たした役割が
    > 排除されたようにも思うのですが
    > 其のあたりの認識をお伺いしたいと思います。

    「排除」というのは、共産党が拉致問題の運動から、誰かの圧力で「排除」されたという意味でしょうか?その場合、共産党には止むをえなかった部分があるという認識があるのか?という質問でしょうか?

    質問の意味が今一つ掴みかねておりますので、噛み合っていなければご容赦ください。

    私は、そうした部分がある事は承知の上で、それでも理由は分かりませんが、途中から自ら積極的に関わるのが止まり、政府に申し入れするだけになってしまったように思います。家族会からも社民党は当然ですが、なぜか共産党までも罵声を浴びせられるようになった事も、運動から引いてしまった一因なんでしょうが、それでも共産党が自ら動いて出来る事は、まだまだあったように思います。

    と、こんな感じで質問に答えられておりますでしょうか?

    > 「頑迷な左翼」が柔軟になれば事態の打開に一役買って出れるであろうことは察しが着きます。
    > 只貴方の様な問いかけに拒絶されるのも事実ですから・・・・。

    ご批判は甘んじて受けますし、言い方が悪いのは自覚もあります。
    しかし、同時に相手次第の部分も大きいと思いますね。
    松竹さんの丁寧な問いかけにすら、ネチネチと少しの違いをあげつらう事しか返せない人がいるのですからね。
    で、実際そうしたメンタリティーの方々こそが、これまで運動を壊してきたことに自覚があまりにも無い。そこへの憤りが思わず出てしまったのが、戦略上の失敗ではありますが、本音でもあります。

    > これを機会にお尋ねします。

    ありがとうございます。
    こんな過疎地で良ければ、いつでもお越しください。

  5. 横槍さん兵。 | URL | -

    ありがとうございます。
    自称左翼を自認し、身の周りで行動と発言をしている身として大変参考になりました。
    大筋で同意いたします。

    あのネチネチは
    恐らく、あくまでも恐らく
    生きた時代と世代の感性が機敏に反応しているのだと推察してしまいます。
    「中央にいた人間ならもっと気を使って書けよ」という
    苛立ちだと思っています。
    苛立ちは分からんことも無いのですが

    あの論理展開が
    今の人に果たして受け入れられるか疑問もあります。
    観客が逃げていく書き方は駄目です。

    紳さんの提起した「話題の中身」に入り込まない
    「感じ方」で少し私が無責任だとは思います。
    但しどっちもどっちという態度はとりません。
    反共的だけが生き甲斐は賛意しません。
    私は

    左翼が本格的に海面に浮き上がり
    大海原で難問解決しないと
    国民は難破してしまう
    (保守とも協調一致を図りながら)
    既に難破しているのですが
    沈没して溺死してしまいます。

    左翼の責任は60年代や70年代と違うことを各位が自覚すべきだと思っています。

    大まかで論点が少しボケた書き方をお許し下さい。
    貴重なご指摘に感謝します。

  6. Looper | URL | Gbv3DVvY

    Re: タイトルなし

    横槍さん兵さん、

    > 大筋で同意いたします。
    ご理解いただき、ありがとうございます。

    > 観客が逃げていく書き方は駄目です。
    その辺は自分にも当てはまりますので、自分の問題として受け取りたいと思います。

    > 左翼の責任は60年代や70年代と違うことを各位が自覚すべきだと思っています。

    そこなんです。私も問題と感じているのは。
    特に多くのネット右翼などの若者には、左翼は「嘘つき」もしくは「嘘を信じている愚かな人たち」だと思われています。このレッテルを剥がすには、仲間内だけでしか通用しない論理で正当化だけしていても無理なのだと思うのです。

    > 貴重なご指摘に感謝します。
    こちらこそ、ありがとうございました。

  7. 横槍さん兵。 | URL | -

    あらためて感謝です。

    この想いが素直に通じ合えば
    わだかまりよりも未来があると確信しています。
    其々の持ち場で!

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