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Just war

2009年12月22日 17:24

オバマ大統領のノーベル賞受賞スピーチが、「正義の戦争」を肯定したという文脈での批判が多く見られるという話は既に記事を書いたとおり。

ただ、「Just war」を「正義の戦争」という訳をすると誤解を受けやすいと思う。
これは、かつて戦争主導者が自分論理で「正義」だと宣言した「戦争」の意味合いではない。
オバマ氏が現アメリカ合衆国大統領であるという点も誤解を受けやすい。
アメリカと言う国は、そうした「自衛戦争」という手前味噌な「正義」を振りかざして、ドミニカ、グレナダ、パナマ、ベトナム、ニカラグアなどなど、他国への軍事的介入や侵攻を戦後もずっとし続けてきた歴史を持つ国だからだ。

しかし、「Just war」を意訳すれば、どちらかというと「正当性のある戦い、戦争」という意味合いだと思う。
大多数の第3者から見て、「あれは仕方ないよね、止むを得ないよね」と言ってもらえるだけの「正当性」を備えた「武力行使」や「戦争」の事である。

だから、オバマ氏が言っているのは、そうした国際社会から見て、正当性のある、止むを得ない「戦争」は、厳然としてまだ存在しているという事だ。そして、アメリカはそういう正当性を大事にすべしと言っている。これは、暗にそうでなかった事例があることを認めているようにも読める。

私は、この意味合いでの「Just war」は当然あると思う。

これを否定するということは、例えば、イラクがクウェートに侵攻した事を機に始まった第一次湾岸戦争での多国籍軍の派遣はダメだという話になるし、日本が北朝鮮からの攻撃を受けても反撃してはいけないという話にもなる。

オバマ氏は、今は無抵抗主義だけでは現実の紛争が収まらないケースがあるのだと言っている。しかし、その理想を捨ててもいけないとも言っている。

これって、日本国憲法九条が掲げる理想とそこにはまだ至っていない現実との話にとても似ているとは思いませんか?


コメント

  1. ウィリー | URL | D2os1cdk

    No title

    Looperさんこんにちは、お久しぶりです。
    話題が広がって(勝手に)嬉しく思ってます。

    オバマ氏のノーベル平和賞受賞スピーチは、論考の価値すら無いのではないかと思ってしまいます。
    全世界から注目され、さぞかし楽しんだことでしょうね、、、程度にしか思え無いほど虚しいです。
    と言いますのは、オバマ氏が背負ったアメリカという国の本質は、大統領が交代するくらいでは全く変わらないのではないかという疑念があるからです。

    >オバマ氏は、今は無抵抗主義だけでは現実の紛争が収まらないケースがあるのだと言っている。しかし、その理想を捨ててもいけないとも言っている。

    アメリカにおいて無抵抗だったのは、インディアンのような原住民族だけでした。
    肥沃な土地や利益を求め、今尚、罪無き一般市民を殺すアメリカに、「お前が言うかっ!」と言いたい気分です。

    ジョセフ・コンラッドの著書「闇の奥」を翻訳された藤永茂氏が、ご自身のブログで、日本では伝わらない論説を示されています。

    http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/

    私も藤永氏と同意見です。
    こちらを読むと、アメリカ大統領が何を言おうと、虚しく響くんです。


  2. Looper | URL | QpqRtz9Y

    ウィリー さん

    ご意見ありがとうございます。

    > オバマ氏のノーベル平和賞受賞スピーチは、論考の価値すら無いのではないかと思ってしまいます。
    > 全世界から注目され、さぞかし楽しんだことでしょうね、、、程度にしか思え無いほど虚しいです。

    私には、貰えて嬉しそうにも、楽しそうにしているようにも見えませんでした。
    むしろ辛そうでした。

    > と言いますのは、オバマ氏が背負ったアメリカという国の本質は、大統領が交代するくらいでは全く変わらないのではないかという疑念があるからです。

    孫崎享氏の「日米同盟の正体」なんかは、そんな感じの本ですね。
    内容的には面白い部分も多いけど、この本もちょっと陰謀論に傾きすぎという評価をしています。
    なぜって、資料の持ってき方、分析の仕方に学者らしい慎重さが足りない印象です。
    牽強付会というか、都合のよい資料だけを取り上げている印象があるというか…

    > ジョセフ・コンラッドの著書「闇の奥」を翻訳された藤永茂氏が、ご自身のブログで、日本では伝わらない論説を示されています。
    >
    > http://huzi.blog.ocn.ne.jp/darkness/
    >
    > 私も藤永氏と同意見です。
    > こちらを読むと、アメリカ大統領が何を言おうと、虚しく響くんです。

    オバマがどこまで本気かは、本人にしか分かりませんし、そのモチベーションがなんなのかも正直分かりません。でも、そんなことを2次的な事なのです。

    本人が言った事、約束した事で、良い事は積極的に評価して後押しする、まずい事は批判して抵抗する。これしか我々に出来ることはありません。

    「どうせxxだ」では、歴史は決して動かないのです。

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