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永住外国人の地方参政権

2010年01月14日 08:24

昨年4月、鳩山さんが永住外国人への地方参政権付与が必要だとの認識を示した時には、かなり議論がわき上がったのは記憶に新しいですが、鳩山政権が、永住外国人に地方選挙権を付与する法案を、18日召集の通常国会に提出することで合意したとのニュースが流れて、また議論が再燃してきたようです。

昨年の議論に自分は参加しなかったのですが、これには色々な問題、日本特有の問題が絡み合っているなーと思っていました。特に、諸外国に比べて日本国籍の取得が圧倒的にハードルの高い問題、アメリカだったらとっくに日本国籍を認められる多数の2世・3世の「特別永住者」などの歴史的問題などがベースにあり、賛否如何に関わらず、これらの問題を多面的に見ていく必要があるなと感じていました。

で、どっかでまとめてくれている所がないかなーと探してみたら、実に面白いサイトを発見しました。
中学・高校で社会科の講師をされている村田 浩氏が運営しているクロ箱というサイトです。

ここに、「社会問題についての演習講座」として、授業で使った演習問題が載せられています。
「脳死」問題などでも、生徒の意見が載せられていて、とても参考になります。

こちらに、9-3. 永住外国人の地方参政権と題した演習問題があります。

反対派のAさんと、賛成派のBさんの議論形式になっていますが、 この問題での議論の論点がとてもよく整理されていて、勉強になりました。

一部抜粋すると、

【課題】 現在、日本の永住資格を持っている外国人は約63万人います。そのうちの52万人あまりが韓国籍・朝鮮籍で、戦前の植民地政策によって日本に来た人たちやその子孫で、「特別永住者」と呼ばれています。在日二世・三世の場合は日本で生まれ育った人たちですが、日本の国籍は血統主義というしくみを採用しており、日本で生まれ育った人でも両親が外国籍の場合は日本国籍は与えられません。こうした永住外国人は、日本人同様に社会生活をし、日本語を話し、税も納めていますが、現在、いくつかの権利が制限されています。公務員のいくつかの職につくことができない、国政・地方ともに参政権がない、定期的に外国人登録をするために法務局へ出頭しなければならないなどです。1980年代以前は、すべての公務員職につくことができず、国民健康保険や国民年金にも加入できなかったのですが、1979年に国際人権規約、1982年に国連難民条約に日本が加盟したことをきっかけに少しずつ永住外国人の権利は拡大されてきました。
 ここでは地方参政権に焦点をしぼって考えていきたいと思います。次のAとBの会話を読み、永住外国人の地方参政権を認めるべきかどうか、あなたの考えをすじみちだてて述べなさい。(1000字程度)

<中略>

A 「地方行政と国全体の行政とは一体のものだよ。例えば、原発建設の是非は地域住民の問題でもあるけど、同時に日本全体のエネルギー政策にも関わってくる問題であって、両者をわけて考えることはできない。だから、地方行政だけならかまわないという安易な発想は間違っているよ。日本社会の中で参政権を行使したいのなら、まず、日本に帰化して国籍を所得するべきじゃないかな。参政権が国籍保有者に保障されるしくみというのは近代国家の原則だし、日本に帰化することで日本社会の一員としてこの社会を良くしていこうとする意志をはっきり示すことになるわけだから、そのほうが好ましいと思うよ」

B 「多くの日本人はこの国に生まれたというだけで日本国籍が保障されるわけだよね。それなのに外国人についてだけ、日本への忠誠心を示さないと参政権を与えないというのは矛盾しているし、国籍が違うというだけで疑ってかかる姿勢は差別的だと思う。外国人の場合も、日本に長く住んでいるというだけで十分、地方参政権を保障する根拠になるはずだよ」

A 「それは逆で、日本という国を支えていくために日本人の愛国心や国家への忠誠心を高めていくことが大事だと思う。それに、アメリカ合衆国では外国人に地方参政権はないし、ヨーロッパ諸国でもフランスやドイツといった大国ではEU圏外の外国人について地方参政権を認めていない。国際社会の主流はあくまで参政権と国籍はセットになっているという考え方だよ。だから外国人でも住民として長年そこに暮らしている事実があれば参政権を認めるという発想は乱暴だよ」

B 「アメリカやイギリス、フランスの場合、国籍のしくみが日本と違って生地主義だから、そこで生まれた子供は親の国籍に関係なくアメリカ、イギリス、フランスの国籍が与えられる。たとえ両親が不法入国者であったとしても、国内で生まれた子供には国籍が保障されるしくみになっている。だから生地主義の国では、国内で生まれ育ったのに外国人という子供は基本的に存在しない。在日韓国・朝鮮の人たちが二世、三世の世代になっても日本国籍が保障されないのとはぜんぜん状況が違うよ。それに、ベルギー、フランス、イギリス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、オランダ、ポルトガルといった国では成人の二重国籍も認めていて、以前の国籍を抹消することなく、新たな国籍を所得できるようになっている。だからヨーロッパでは、当たり前のように二重国籍、三重国籍の人たちがたくさんいる。そういう事実を無視して、参政権と国籍はセットになっているのが国際社会の主流だとか、国籍は愛国心と忠誠心のあらわれだなんていうのは時代錯誤もはなはだしいよ。外国人はみんなスパイだとでも言いたいわけ?先進国の中で、日本みたいに国籍所得の申請が困難だったり、両親が外国籍だからといって国内で生まれ育った子供にまで国籍を与えなかったりするのはめずらしいよ」


どうです?なかなか面白いでしょ?
みなさんも、この演習問題に挑戦してみませんか?

あと、ここで漏れてる論点なんかがあれば、是非教えてください。

なお、永住権を持つ外国人に地方参政権を認めることに、自分は「賛成」しています。
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